奇面館の殺人下巻を読了したので、感想とかつらつら書いていこうと思います~!
関係者の大半が仮面を被らされ、素顔が見えない!
前代未聞の異様な状況に疑心暗鬼が渦巻く中、名探偵・鹿谷門実が解き明かす「奇面館の秘密」の数々。果たして真相はどこに!?
本格ミステリの醍醐味に満ちた、圧倒的迫力の推理&解決編。名手・綾辻行人が技巧の限りを尽くし、読者を未曾有の驚愕へと誘う。
(公式より引用)
上巻の感想はこちら。
約1年ぶりに再読。上巻同様めちゃ内容忘れていて、めちゃめちゃ楽しく読めてしまった。
以下ネタバレしかないです~!
\全員影山逸史/←いやそんなことある~~~??!!
館の仕掛けより全員影山逸史がインパクト強すぎてな。いや館の仕掛けも面白かったけど。
はい、めちゃめちゃ面白かったです。
確かに影山逸史さん達、日向京助に始まり、誰も本名出てきてなかった。みんなあだ名。くどい程の「○○の仮面」呼び。
まあ登場人物の本名が出てこない巻もあるか……などと、のほほんと読んでたらこれ。我ながら良い読者だと思う。いやアホな読者やろ。
殺害された影山逸史の「本質は表層にこそある」、表層が名前ってそんな。
このセリフの「表層」、なんの事なのかめちゃめちゃ考えながら読んだのに、読者には全く明かされてなかった名前なのかっていう。してやられた感。悔しい~!楽しい~!
とは言えこの名前問題、考えたら分かるようには出来てたよな~。
現に自分も「登場人物達の名前出てこないのおかしくない?」とは思ってたし。そこから先が思い浮かばなかったけど!
そしてこの名前問題しかり、奇面館の殺人のあれこれは全部単純だったのも面白かった。言われてみたらそれはそうとしか言えないモノばかり。トリックも犯人も何もかも分かってしまえば全部本当に単純。
入れ替わりトリックっぽく仕向けてあるから当然なんだけど、この入れ替わりに重きを置きすぎて、「仮面=顔を隠すモノ」ってことを忘れていた。これもしてやられた。
犯人怪我してます、見せたらバレちゃうね、じゃあ仮面で隠すかって、もう当たり前じゃん~~~!!!
鹿谷先生の「すぐにこれを考えつかなかった自分自身をなじりたくなるような……」ってセリフが当てはまり過ぎる作品だった。
この「単純」を複雑怪奇に見える謎として書くんだから綾辻先生~!!! ありがとう~~~!!!
めちゃくちゃ練って誰にもバレない計画的な犯行にするつもりが、新月瞳子という存在ひとつに全部かき回されたのがなあ。あ、鹿谷門実がこの館に来なければ逃亡出来てたのに……も言えるか。
なんかどれだけ考えようが結局未来なんか分からないんだよって言われてるようで良い。
殺害された影山逸史の辻占的質問は何だったのか。
この質問をする為の集まりが無ければ殺害されなかったかもしれない。
犯人の影山逸史の夢は未来の仮面が見せた未来予知だったのか。
夢は殺害したところで終わりだったから、もしかしたら逃亡出来ていた未来もあったのかも……?と思ったり。
でも中村青司の館に引き寄せられた鹿谷門実が居たことでその未来は無くなって……。で、その鹿谷門実を引き寄せたのも日向京助=影山逸史で……。
影山逸史が影山逸史を不幸にしてるのがな~……面白いな~……。
あとさ~もう鹿谷門実先生大活躍じゃないですか。名探偵にも程があるて。シリーズ9作目にしてようやく初めてと言っても良いほどのめちゃめちゃ主人公感ない?
一番最初の十角館なんて江南くんとわちゃわちゃ面白おかしく捜査してだだけじゃないですか(え??)
主人公枠だから当たり前なんですけど、島田潔その洞察力どこで身に付けたん?
は~~~愛しているぞ島田潔。
最後の「親しい編集者からこの事件を小説化しましょうって言われたら面倒で嫌(意訳)」のメタ発言も笑った。
以上です。もっといろいろ思ったんだけど文章にならなかったのでとりあえず終わらせておきます。
世にも怪奇な物語も見なきゃな~。
は~~~面白かった~~~!!!